テレ東キャラ「ナナナ」なぜバナナ?誕生秘話と歴代マスコットの真実
民放キー局の中でも、独自の編成とエッジの効いた企画力で異彩を放ち続けるテレビ東京。そのシンボルとして絶大な存在感を誇るのが、黄色いバナナの公式マスコットキャラクター「ナナナ」です。街頭イベントや番組の合間に見せるキレのある動き、どこか脱力感の漂う佇まいに、思わず目を奪われた経験を持つ人は少なくないはずです。
しかし、そもそもなぜ数あるモチーフの中から「バナナ」が選ばれたのでしょうか。そこには開局50周年という巨大な節目に仕掛けられた、テレ東ならではの逆転劇と緻密なブランディング戦略が隠されていました。本稿では、歴代マスコット「ピカチャン」から続く知られざる系譜、博多大吉が声を吹き込んだ伝説的番組のエピソード、そして2026年最新の「テレ東本舗。」人気グッズ事情まで、現場の取材視点を交えて余すところなく解剖します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ナナナがバナナになった最大の理由は「チャンネル番号の7」と「社食で食べられかけた」という脱力系の誕生ストーリーにある。
- 要点2:かつての「ピカチャン」時代を経て、自虐とシュールさを武器にしたナナナは民放キー局キャラクターの中で屈指の独自ポジションを確立した。
- 要点3:声優を務めた博多大吉の生トークをはじめ、着ぐるみとは思えない高い身体能力と現場密着のファン対応が2026年現在も熱烈な支持を集める原動力となっている。
【誕生秘話】なぜバナナ?社食で食べられかけたナナナの数奇な運命
テレビ東京のマスコットキャラクターとしてナナナが正式にお披露目されたのは、2013年9月12日のことです。翌2014年に控えていた「テレビ東京開局50周年」を盛り上げるための期間限定キャンペーンキャラクターとして世に送り出されました。
当時、最も世間を驚かせたのが「なぜバナナなのか」という疑問でした。その真相は、テレビ東京のリモコンキーIDである「7チャンネル」の数字「7(ナナ)」にバナナの形状を重ね合わせたという、極めてシンプルかつ直球の言葉遊びに端を発しています。しかし、テレビ東京の真骨頂はここから先の公式バックストーリーにありました。
公式プロフィールによると、ナナナはもともと「テレビ東京の社員食堂でランチデザートとして食べられそうになっていたバナナ」でした。まさにスプーンやフォークが突き刺さる寸前、「食べられてたまるか!」と危機一髪で逃げ出し、そのままテレビ東京のキャラクターとして居座ることになったというのです。他局のマスコットが「宇宙からやってきた不思議な生き物」や「妖精」といったメルヘンチックな出自を掲げるなか、社員食堂の残飯になりかけたというシュールかつ泥臭い設定は、瞬く間にネット上で大きな話題を呼びました。
当初は1年限りの記念キャラクターとして企画されていたナナナでしたが、視聴者からの反響があまりに大きく、2014年春には正式な「テレビ東京のメインキャラクター」へと昇格を果たします。ピンチをチャンスに変えて生き残るという誕生劇そのものが、潤沢な予算を持つ他局にアイデアと機動力で挑み続けるテレビ東京の企業体質を雄弁に物語っています。

ナナナの基本プロフィールと「博多大吉」が吹き込んだ魂
ナナナのキャラクター性を語るうえで外せないのが、その詳細な公式設定と、一時期担当していた「声」の存在感です。
公表されているナナナの基本スペックは以下の通りです。
- 本名:ナナナ(テレビネーム)
- 生年月日:7月7日
- 出身地:テレビ東京の社員食堂(ランチセットのバナナ)
- 性格:お調子者でマイペース。情に厚く涙もろい一面も
- 特技:ナナナダンス、柔軟体操、あらゆる隙間に入り込むこと
- 弱点:皮を剥かれること、強い力で握られること(黒ずんでしまうため)
ナナナの知名度を全国区へ押し上げた決定的な契機が、2014年に放送された伝説の深夜生放送番組『トーキョーライブ24時 〜ジャニーズが生で悩み解決できるの!?〜』でした。日替わりでジャニーズタレント(現・STARTO ENTERTAINMENT所属タレント)が生放送のMCを務めるなか、進行アシスタントとして抜擢されたのがナナナでした。
その際、ナナナの「声」を担当したのが、お笑いコンビ・博多華丸・大吉の博多大吉です。大吉の持ち味である低音のウィットに富んだ語り口、生放送ならではのハプニングに対する冷静沈着なツッコミ、そして時に毒を吐く絶妙なトーク回しが見事にハマりました。「見た目は愛らしい黄色いバナナなのに、喋ると完全に疲れた中年男性の哀愁が漂う」という凄まじいギャップが熱狂的なファンを生み、単なる子供向けマスコットを超えた深夜のカルチャーアイコンへと進化を遂げたのです。
【歴代一覧】ピカチャンからナナナへ|テレ東マスコットが辿った変遷史
テレビ東京のマスコットキャラクターといえばナナナの印象が強烈ですが、同局にもキャラクター戦略を模索し続けた歴史が存在します。かつてナナナの前任として活躍していたのが「ピカチャン」です。
ピカチャンは1990年代後半から2000年代初頭にかけてテレビ東京の画面を彩ったマスコットです。頭部が電球の形をした親しみやすいデザインで、「ピカピカの7チャンネル」をアピールする役割を担っていました。しかし当時は、日本テレビの「なんだろう」がスタジオジブリ(宮崎駿監督)の手によるデザインで一大ブームを巻き起こすなど、他局のキャラクター戦略が先行していた時代。ピカチャンは愛好家には親しまれたものの、局の顔として国民的な浸透を果たすには至りませんでした。
その後、局のキャッチコピー変更に伴い一時的に不在となる期間を経て、開局50周年の節目に満を持して投入されたのがナナナでした。民放他局が展開するマスコットと比較すると、テレビ東京のナナナがいかに異端で、かつ戦略的に差別化されているかがよく分かります。
| 放送局 / キャラクター | モチーフ・初登場年 | 主な特徴とキャラクター展開 | 編集部の見解・ポジショニング |
|---|---|---|---|
| テレビ東京 ナナナ | バナナ(7ch) (2013年登場) | 社食で食べられかけた設定。抜群の運動神経と自虐トーク、シュールな世界観 | 圧倒的エッジ型。大人の鑑賞にも耐えうる深夜カルチャーとの親和性が極めて高い |
| 日本テレビ そらジロー | 怪獣・雲 (2007年登場) | 夕方の報道・気象コーナー(news every.)看板。木原実キャスターとのコンビ | 生活密着型。子どもからお年寄りまでファミリー層への日常的な浸透度が民放最強クラス |
| テレビ朝日 ゴーちゃん。 | パンダ(5ch) (2011年登場) | サンリオとの共同開発。エクスパンダ星の王子。SNSでのアイドルオタク芸が有名 | ファンシー共創型。造形の完成度が高く、Z世代や女性層へのSNSアプローチに特化 |
| TBSテレビ BooBo(ブーブ) | ブタ・宇宙人 (2004年登場) | ブタに見えるが実は宇宙人。相棒の「Boona(ブーナ)」とともに天気コーナー等で活動 | 安定定番型。奇をてらわず、局の公共性とブランドカラーを誠実に伝える王道ポジション |
| フジテレビ ラフくん | 青い犬(8ch) (2002年登場) | 「Laugh(笑い)」と「Rough(自然体)」が由来。お台場イベントの顔として長期定着 | イベント連動型。かつての黄金期バラエティ文化とお台場のランドマーク性を象徴 |
表を見ても明らかなように、他局が「可愛らしさ」や「親しみやすさ」を前面に押し出すのに対し、ナナナは「突っ込みどころの多さ」を武器にしています。隙だらけのプロフィールを提示することで、視聴者が自然とSNS上でいじりたくなる心理的な余白を作り出しているのです。

【実態検証】ナナナの現在と人気の理由|SNSと現場目線で見えたリアル
2026年を迎えた現在も、ナナナの人気は一過性のブームにとどまることなく、極めて安定した熱量を保っています。その理由は、着ぐるみキャラクターの常識を覆す現場パフォーマンスと、時代に適応したデジタル発信力にあります。
第一に挙げられるのが、圧倒的な身体能力の高さです。テレビ東京のスポーツ中継(卓球や柔道、世界陸上関連など)や社屋前イベントに登場するナナナは、バナナの形状でありながら深い前屈やブリッジ、素早い反復横跳び、キレ味抜群の「ナナナダンス」を平然と披露します。子ども向けイベントの現場を取材すると、保護者層から「着ぐるみの中の人はプロのアスリートやダンサーではないか」と驚嘆の声が漏れる場面に度々遭遇します。この「見た目の脱力感」と「動作の鋭さ」の落差が、現場で目撃した人々を虜にする大きな要因です。
第二に、SNSを中心とした「媚びない発信姿勢」です。公式X(旧Twitter)やTikTokでは、時事ネタに無理に乗っかるのではなく、テレビ東京の看板番組(『モヤモヤさまぁ〜ず2』『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』など)の裏側や、社屋内の日常を自虐を交えて投稿しています。ネット上のコミュニティ(知恵袋や5ちゃんねる等)でも、「テレ東のキャラクターは変に優等生ぶらないから好感が持てる」「局の予算がないことをネタにするナナナが愛おしい」といったリアルな声が多数を占めています。
さらに、SDGs推進キャンペーンや、テレビ東京のデジタル配信プラットフォーム「テレ東BIZ」との連動企画など、硬軟織り交ぜたフィールドでフレキシブルに稼働できる点も、現在のメディア環境において唯一無二の強みとなっています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
ネット検索やSNS上の言及を精査すると、ナナナに関して長年信じ込まれている幾つかの誤解が存在します。ここでは取材データに基づき、その盲点を検証します。
誤解1:「ナナナの声優はずっと博多大吉が務めている」という誤認
検索エンジンで「ナナナ 声優」と調べる人の多くが、「ナナナ=博多大吉の声」と思い込んでいます。しかし、博多大吉が声を担当していたのは主に『トーキョーライブ』シリーズおよび同系統の特番・特別企画における限定的な演出でした。普段の局公式イベントや番組内でのナナナは、原則として「言葉を発しない(ジェスチャーとフリップで意思疎通を図る)」スタイルを基本としています。常に固定の声優がアテレコしているわけではなく、生放送のトークセッションという特殊な状況下で生まれた奇跡のコラボレーションだったというのが正確な事実です。
誤解2:「ピカチャンは黒歴史として抹消された」という都市伝説
ナナナの登場以降、前任キャラクターである「ピカチャン」がメディアに出なくなったため、ネットの一部では「テレ東にとってピカチャンはなかったことにされているのでは」という噂が散見されます。しかし、これは明確な誤りです。テレビ東京の社史展示やアニバーサリー企画の展示コーナーでは、歴代の社屋やロゴマークの変遷とともにピカチャンの資料も正しく保存・紹介されています。単に開局50周年という巨大なタイミングでブランドアイデンティティを刷新(CIリニューアル)した結果であり、否定されたわけではありません。

【2026年最新】「テレ東本舗。」人気グッズ事情とファン必見の入手ルート
テレビ東京のキャラクタービジネスの中核を担うのが、オフィシャルショップ「テレ東本舗。」です。東京駅一番街の「東京キャラクターストリート」店をはじめ、東京スカイツリータウン・ソラマチ店、六本木本社内の店舗、そして公式WEBショップを通じて全国にグッズが供給されています。
ナナナのグッズが10年以上にわたり売れ続けている背景には、他局キャラクターグッズとは異なる「実用性」と「番組連動」があります。
- 定番のぬいぐるみ・マスコット:滑らかな手触りのバナナ生地を再現したロングセラー商品。バッグに付けやすいボールチェーン付きマスコットは修学旅行生や観光客の鉄板土産となっています。
- ステーショナリー&オフィス用品:ボールペン、クリアファイル、付箋など、オフィスで使っても主張しすぎないシュールでシンプルなデザインが20代〜40代のビジネスパーソンに支持されています。
- 人気番組コラボレーション:『孤独のグルメ』の井之頭五郎風スーツを着たナナナや、『ヤギと大悟』のポポと並んだ限定アクリルスタンドなど、番組ファンを巻き込んだコラボグッズは発売即完売を記録することも珍しくありません。
2026年現在、特に人気が集中しているのは「季節限定ナナナ」のシリーズです。干支を模した着ぐるみ姿や、季節のイベントに合わせた限定ピンバッジはコレクターズアイテムとして高値で取引されるケースも見受けられます。確実に入手したい場合は、公式オンラインショップの予約開始日をチェックするか、東京駅一番街店の入荷速報を公式SNSで確認するのが賢明なルートです。
【プロの結論】ナナナグッズを選ぶべき人・慎重になるべき人の判断基準
多くのマスコットグッズが存在する中で、ナナナのアイテムはどのような人に向いているのでしょうか。明確な基準を整理します。
【選んで間違いのない人(向いている条件)】
- テレビ東京特有のシュールなバラエティ番組や深夜カルチャーを愛している人
- あからさまな「可愛い系キャラクター」を持つことに気恥ずかしさを感じる大人のビジネスパーソン
- 日常にクスッと笑える脱力感や、会話のきっかけ(カンバセーションピース)を求めている人
【購入に慎重になるべき人(おすすめできない条件)】
- ディズニーやサンリオのような、完全無欠のメルヘンで王道な可愛らしさを最優先したい人
- 「食べ物で遊んではいけない」という厳格な倫理観が強く、食べかけバナナの設定に抵抗がある人
【テレ東キャラクター】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ナナナの着ぐるみには「動くタイプ」と「巨大なタイプ」など複数あるのですか?
A1:はい。イベントの用途に合わせて複数のバリエーションが存在します。ステージ上で激しいダンスやアクロバットをこなす機動性重視のアスリート仕様のナナナから、展示用やグリーティング用の丸みを帯びた仕様まで、シチュエーションに応じた最適なナナナが現場に登場します。
Q2:ナナナの仲間や家族キャラクターは存在するのですか?
A2:ナナナの親友として、青い鳥のキャラクター「ハチ(HACHI)」が存在します。テレビ東京のBSデジタル局である「BSテレ東(旧BSジャパン=7ch)」の親和性を高める文脈などで登場し、ナナナの頭の上に乗っかるなど絶妙なコンビネーションを見せています。
Q3:なぜテレビ東京の番組にはナナナ以外の名物キャラクターも多いのですか?
A3:テレビ東京は番組ごとの独立採算意識とプロデューサーの裁量が非常に大きいためです。『モヤモヤさまぁ〜ず2』の音声合成キャラクター「ショウ君」や、アニメ枠から生まれた無数のオリジナルアイコンなど、局全体のマスコット(ナナナ)と番組固有のキャラクターが競合することなく共存共栄している点が、テレ東コンテンツの大きな特徴です。
まとめ:開局60周年を超えて進化し続けるテレ東の象徴
社員食堂のランチデザートとして食べられそうになった黄色いバナナが、民放屈指の人気マスコットへと駆け上がった背景には、「他局と同じことはやらない」「自らの弱みすらも笑いに変える」というテレビ東京のDNAが色濃く反映されていました。
予定調和を嫌い、時に身体を張って視聴者に笑いを届けるナナナのスタンスは、情報過多で息苦しさを増す現代社会において、人々に心地よい抜け感と癒やしを与えています。開局60周年の節目を越え、テレビの枠を超えたデジタルメディアやリアルイベントへと活動領域を広げるナナナ。その黄色い背中には、これからも独自の道を切り拓いていくテレビ東京の確固たる矜持が宿っています。 (出典: テレ 東 キャラクター(Yahoo!ニュース))